NPO法人 倭文の郷 活動紹介

NPO法人「倭文の郷」の活動の柱は

 ・倭文の郷の農業振興

 ・倭文の郷の歴史と文化の学び

 ・倭文の郷を中心とした都市と農村交流の促進

です。

さまざまなイベントと、拠点となる自炊型宿泊施設「久米ロッジ」の運営を通じ、地域の活性を目指しています。

■ 倭文織の復元・文化と歴史の伝承

◎ 倭文織の復元

倭文織

倭文地区は『幻の織物、倭文織(しづおり)』の生産地であったと言われています。

「延喜式(927年~967年)」に『常陸・駿河の二国より各々31端の倭文が貢として輸され…」とあり、『倭文織』の存在は確認できますが、その後「倭文」という文字は見られなくなります。

そのため、「倭文織」がいつまで生産されていたのか、またどのような織物であったかは現物が存在しない今、さまざまな史料を紐とき、推測していくしかありません。

 

平安時代の和歌に倭文織は登場しますが、貫之集より「しづはたに乱れてぞ思ふ悲しさを経緯(たてぬき)にして織れる君が恋」から、倭文織は異なった色が交錯し乱れた文様の織物であったと考えられています。

当地区に隣接して錦織地区(美咲町)があり、錦織は渡来人が伝えた絹織物で、入手しやすい動物繊維と楮(こうぞ)、 からむしなどの植物繊維を使った日本古来の織物が「倭文織」と想定でき、「歴史と文化を語る会」では、数年前より倭文地区に自生している楮(こうぞ)やカラムシから糸を取り出し「倭文織」の復元に努めています。

「倭文織」は糸を藍やくちなしなどで染めて、さをり織り機で少しずつ織り上げていきます。

その風合いは素朴で手触りが良く、耐久性にも優れています。

「倭文織」のタペストリーやコースター、バックなどが製作販売されているほか、体験学習などで織り作業を体験していただくこともできます。

◎ 文化と歴史の伝承

平成の市町村合併後、日本全国で古くから使われていた地名が消えていっています。

「倭文(しとり)」という名も同じです。

読みにくさから改変されたとも考えられますが、古来の地名には長い歴史が刻み込まれています。

倭文地区にも多くの文化と歴史があります。

 

●幻の織物、「倭文織(しづおり)」

●日本最古級、大蔵(おおぞう)池南製鉄遺跡を

 はじめとする県下有数の糘山遺跡群

●久米郡内最大級の前方後円墳「奥の前1号墳」、

 桑上・桑下のひょうたん山古墳

●平安時代中期の上賀茂神社(京都)の荘園、

 競馬会(くらべうまえ)への野生馬の寄進

●長州征伐時の島根県の浜田藩の転封(鶴田藩)

●独自の年中行事、ことわざ、方言

など

 

私達はこれらひとつひとつを、会としても研究取りまとめをしていくとともに、さまざまな参加型活動を通じ、多くの方に知っていただくことで後世に語り継げればと考えています。

■ 農業体験・農のある暮らし

農のある暮らし

2001年に「食と地域の交流促進集落活性化対策事業」農林水産省の公募選定を受け、「農のある暮らし地域協議会」が発足しました。

キャッチフレーズ

「田舎が楽しい! 農業が楽しい!」

を、合言葉に、戸脇地域の住民を主体とした農業振興とグリーンツーリズムを実践する村づくりを行っています。

地域の方のみならず、他府県からの希望者を募るイベントも数多く行っています。

春の山菜採り、夏の田植え、

秋の稲刈り、冬の餅つき、

四季を通じて農のある暮らしを体験できます。

 

また、ミネラル豊富な水、有機で肥えた土、地力が育む美味しいお米・農産物の直売・宅配も行っています。

■ 古民家での生活体験

倭文の郷古民家

元冶元年(1864年、新撰組に尊王攘夷派志士が襲撃された年)創建された古民家で、昭和の生活を県内外問わず味わっていただけるようにしています。

大きな土間、昔ながらの囲炉裏端、家の前には見事な竹林があり、手作りの窯で畑で採れた野菜を使ったピザを楽しんでいただくことも。

 

詳細は当サイトの「古民家生活体験」をご覧ください。

■ 里山整備・グリーンツーリズム

2014年3月倭文の郷体験ツアー
2014年3月倭文の郷体験ツアー

里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域です。農林業などに伴うさまざま人間の働きかけを通じて環境が形成・維持されてきました。

(環境省・里地里山の保全・活用 より引用)

 

しかし、都市での生活が便利になるにつれ里山は過疎化し、荒れた地になっています。

2014年3月倭文の郷体験ツアー
2014年3月倭文の郷体験ツアー

自然も整備がされていなければ人が寄りつかないばかりか、自然循環を劣化させ、環境にも大きな影響を及ぼします。

 

私たちは、この里山を再建する活動を行っています。

間伐材を利用したシイタケの栽培、使われなくなった農地の再利用、草刈り、などの作業や、山の実り、自然に生きる者達との触れ合いを通じ、多くの方に里山の大切さを伝えて行くグリーンツーリズムなども行っています。

■ 倭文の郷コンサート

「久米ロッジ」や「古民家」の竹林ステージなどを拠点に、倭文の郷ではさまざまなアーティストをお招きしてコンサートを開催しています。

 

2014年2月高橋忠吏コンサート
2014年2月高橋忠吏コンサート

老若男女問わず、多くの方で楽しみながら学べるイベントなどと合わせてお知らせいたしますので、ぜひお越しください。